現存しない星座はたくさんある!なくなった理由や面白エピソードを紹介!

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現在の星座の数は88とされています。この88個に定められたのは1922年のことです。
この年にIAU(国際天文学連合)の第1回総会がローマで開催されたのですが、その際全天の星座は88個とされ、それと同時に名称も正式に承認されました。今からほぼ100年前のことです。

逆に言うと、今制定されている星座というのはわずか100年前に確定したものであって、それまでには今とは違う星座名で呼ばれていたものもありますし、消滅してしまった星座もあります。

そこでこの記事では『現存しない星座はたくさんある!なくなった理由や面白エピソードを紹介!』と題しまして、今ではなくなってしまった幻の星座についてどうしてなくなったのか、そのエピソードをご紹介いたします。

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48星座から唯一漏れたアルゴ座

現在88星座採用されているモデルとなったのが、16世紀まで一般的に使われていた「トレミーの48星座」です。
今の88星座には、この時に使われていた48星座のうち47種類が採用されています。その中で唯一選考から漏れてしまって採用されなかったのがアルゴ座です。
ちなみに「アルゴ」とは、ギリシア神話に登場する巨大な船で、ギリシア神話で活躍する英雄たちが乗り込みました。

この「アルゴ」は日本でも勇気、未来、探求、憧れ等の象徴としてSHARPのパソコンMZシリーズにて採用されており、キーボードにも描かれたキーが存在していました。
また、戦隊シリーズの「宇宙戦隊キュウレンジャー」ではアルゴー船が宇宙を救う鍵になっていたりと現在でも何かと使われています。

理由はサイズ感のせいだった

このアルゴ座が消滅した理由は、大きすぎたからです。
実はアルゴ座は現在全天のなかで一番大きい星座である「うみへび座」のさらに1.5倍もあり、そのサイズは驚異の空全体の1/8もあったのです。

これでは観測も大変でしたので、現在では船の部品として、ほ座・とも座・りゅうこつ座・らしんばん座に分裂しています。星図にイラストが添えられているときは、アルゴ船のイラストにそれぞれ「ほ座」等が明記されていますので、イラスト上は消滅していません。

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フラミンゴ座・さぎ座


フラミンゴ座、さぎ座、そしてつる座という星座は、すべて同じ星座を表しています。
現存しているのはつる座なのですが、それまで鳥の名前の星座としては変わらなかったのですが、名前がしょっちゅう変わっていたのが特徴です。

まず、1598年にペトルス・プランシウスとヨドクス・ホンディウスという人が、先人の残した観測記録を基に、オリジナルで「つる座」と表記しました。その後1603年には別の人が「さぎ座」、そして最初につる座とつけたプランシウスは、1625年に「フラミンゴ座」と明記しました。
この30年近くの間に3つの名前が存在したのです。

最終的にはオリジナルの「つる座」が世に広まり、現在もつる座として登録されています。

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きたばえ座・みつばち座・すずめばち座・はえ座

この3つの星座も同じ星座を表していましたが、現在ではすべて登録されていません。

そもそもの始まりは、1612年にオランダの天文学者ペトルス・プランシウスが、おひつじ座の北側にある4つの星を使ってみつばち座を作ったことでした。この4つの星はどの星座にも属していなかったため、間に星座を作ろうとしたのです。
その後、1624年にドイツの天文学者がすずめばち座に変更。 さらに1690年には蠅座と表記しました。

虫に例えるだけでなく、花としても例えられた


実はこの虫の星座になりそこなった星図ですが、別の天文学者はここに「ゆり座」「ゆりのはな座」を作っていました。
どうしてゆりの花だったかというと、太陽王と言われたフランス国王ルイ14世を称えるためでした。ルイ14世がいたブルボン王朝の紋章にはユリの花の意匠が使われていたため、フランスを大きな国にした功績を称えようとしたのです。

一方では虫、一方では花に例えられるなんて面白いですよね。

現在はおひつじ座の一部に

現在この4つの星は、おひつじ座33番星、35番星、39番星、41番星として、おひつじ座の一部となりました。
しかしこの39番星に関しては、「北のユリ」を意味するLilii Boreaという固有名を持っており、当時のゆり座だった名残があります。

今は使われていない星座でも、星の名前として残っている場合もあるので、星の名前をひとつひとつ調べてみると面白いかもしれません。

星雲を星座に見立てたおおぐも座

過去には星雲そのものを大きな星座にしてしまったケースもありました。
それが「おおぐも座」です。
1801年ドイツのヨハン・ボーデが星図の中で星雲兼星座として明記したのです。

現在は星座ではなく星雲名「大マゼラン雲」と呼ばれており、その中には「かじき座」と「テーブルさん座」が存在していますが、大マゼラン雲はその2つの星座にぼんやりとした雲のように見えます。

失われてしまった星座も何らかの形で存在している


どの星座も完全に失われてしまったのではなく、何かしらの形で現在もその名前や存在を残していることがわかりました。
今回ご紹介した星座以外にも面白い名前のなくなってしまった星座は数多く存在します。

一例をあげるとこのようなものがあります。

・いんさつしつ座(印刷室)
・けいききゅう座(軽気球)
・かんししゃメシエ座(監視者)

なくなった星座の名前は独特なものも多いので是非調べてみてください。

それでは最後までお読みいただきありがとうございました。

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