夜空に浮かぶ星を結び、星座を作った昔の人たちの想像力の豊さには脱帽します。
その中には、例えば「さそり座」や「みなみじゅうじ座」や「きりん座」のように、見たままの形であったり、よく考えられた星座も多くあるのですが、調べていくうちにどう考えてもその形には見えない、こじつけのような星座もある事がわかります。
この記事では、『無理のある形の星座特集!どう見ても実物と違いすぎる星座とは?』と題しまして、どう考えても実物を想像できない思わず笑ってしまう星座をご紹介いたします。
あまりにもマイナーな星座なので、肉眼では見えないものも多いのですが、雑学として是非楽しんでいただければと思います。
それでは早速解説していきます。
らしんばん座
らしんばん座は、もともとはアルゴ座という大きな船の形の星座の一部だったのですが、途中で星座を整理した際に独立しました。
理由は、アルゴ座があまりにも巨大すぎたからです。現在はアルゴ座はなくなり、4つの星座に分かれています。
ここでいうらしんばんとは、航海の時につかう方角を定める際に使う道具の「羅針盤」です。真四角の板に太陽のような方向を見る模様が描かれており、コンパスのようなものだと思っていただけるとわかりやすいかと思います。
ところが、星座を見てみると、ただの棒の形にしか見えません。たった3つの星から出来ています。
いくらアルゴ座の一部だったから羅針盤になぞらえたとはいえ、これはかなり無理があると思います。
アルゴ座とは
アルゴ座は大きな船の形の星座として長らく星図にありました。
現在は、「とも座」「ほ座」「りゅうこつ座」「らしんばん座」の4つに分かれているのですが、かつてはかなり大きな星座だったのです。
そのため人によってどこまでがアルゴ座だったのかの領域がバラバラでした。
今は4つの星座に分かれ、きちんと国際的に区分されています。
けんびきょう座
けんびきょう座はもともとみなみのうお座という別の星座の一部でしたが、そこから切り取られた星座になります。
そのため、みなみのうお座のうちの2つの星(2番星と3番星)は現在けんびきょう座に所属しています。
らしんばん座もですが、けんびきょう座もどこかの星座から分裂した星座になります。さらにそれぞれ近世に作られたものなので、神話などはなく歴史も浅い星座になります。
形を見ると、台形のような形をしており、顕微鏡には見えません。また、近世に作られた星座なので昔の顕微鏡ではなく、今の理科の実験で使われている顕微鏡と大きく変わらない姿が星図で描かれています。
ろくぶんぎ座
六分儀(ろくぶんぎ)は聞きなじみのないものですが、天体と水平線の角度(高度と呼ばれる)を決定する器具です。
実際の写真がこちら。
算数で使う分度器のような形をしていますが、角度を測る器具のため、大きく違わないでしょう。
しかし、天体を見てみると、ただのひらがなの「へ」のようにしか見えません。しかも、すべての星が5等星以下しかなく、仮に東京で空を見上げたとしてもほぼ見えませんし、見えてもわかりませんし目立ちもしません。
すぐそばにあるしし座の一等星「レグルス」があまりにもまばゆいため、肉眼での観察はかなり困難を極める星座になります。
ろくぶんぎ座の由来
ろくぶんぎ座を制定したのはヨハネス・ヘヴェリウスというポーランドの天文家なのですが、このヘヴェリウスは天体望遠鏡を使わず、アナログな肉眼観測と六分儀を使う方法で研究を行っていました。
ところが、ヘヴェリウスの家が火事になり、大事な天文学の書や愛する器具たちを失ってしまいます。
この時に愛用していた六分儀を偲んで星座にしたのがこのろくぶんぎ座になります。
形は六分儀には到底見えませんが、研究者の器具に対する愛情を感じるエピソードでした。
ポンプ座
ポンプ座のモチーフになっているのは、普段よく使われている水をくみ上げるポンプではなく、理科の器具に使われる空気を抜く真空ポンプです。
そのため、イラストにあまりなじみがありませんが、星図を見ると、こちらもひらがなの「へ」の形にしか見えません。
この星座も、らしんばん座やけんびきょう座のように、あとから作られた星座になります。そのため、神話などはありません。
南の星空を埋めるために作られた14星座
らしんばん座、けんびきょう座、ポンプ座は何も星座がなく寂しかった南の空に作られた比較的新しい星座になります。
その数は14星座あります。
それぞれの名前がこちら。
けんびきょう座
コンパス座
じょうぎ座
ちょうこくぐ座
ちょうこくしつ座
テーブルさん座
とけい座
はちぶんぎ座
ぼうえんきょう座
ポンプ座
レチクル座
らしんばん座
ろ座
この中には全く日本の地域では見えない星座もあります。
この星座が制定されなかったころには、南の一部の星空にはぽっかりと星座がありませんでした。新しく作られた星座は、星を観察するためや理科の実験にかかせない器具の名前がメインとなっていますので、日本にはなじみのない名前が多くなっているのです。
マイナーな星座を調べると面白い
あまり知られていないマイナーな星座を見てみると、形とイラストが合っていない星座が多くありとても面白く感じます。
特に新しく作られた14星座はどれも面白い形をしているので、すべて見てみると楽しくなります。
占いでよくみられる12星座もよく見るとあまりそのイラストに見えない形のものがありますので是非調べてみてください。
それでは最後までお読みいただきありがとうございました。